2016年8月2日~5日 大中仮設でのにぎり仏ワークショップ

 

 大震災から5年が経ち、我々の活動も一定の枠組みが出来た今は、行事を終えるとすぐに帰京というかたちになった。

 今回は、立山観音堂落慶法要についての打ち合わせ、大中仮設でのにぎり仏ワークショップを柱として、お世話になった方々を訪問しもう一度ご縁を結び直す、そんな4日間にしようと考えた。みなさん、温かく我々をお迎えいただきいろいろお話しを伺うことが出来た。観音さまからいただいたご縁のありがたさをしみじみ味わった気仙行きであった。

 

 

 大船渡中学仮設集会所での「にぎり仏ワークショップ」は、ます君島さんから飛鳥時代から現代までの仏像の歴史を10分程度で写真を見ながら解説を受けた。

 

 それぞれの前にある紙皿にはラップでくるまれたパウンドケーキに見まがうような固まりがある。それと楊枝とへら。茶色の固まりは木の粉をベースとした粘土、思わず食べそうになった。鼻を近づけると木の良い香りがした。

 

 まず紙に願い事を記し、ようじを芯にしてくるくると丸める。「家内安全」「身体健全」など、私は「気仙三十三観音興隆」と記した。

 

 そして粘土を手でつぶし平らにし、お願い事を記した紙を芯にして仏さまへと造形していく。親指と人差し指でぐっと握ると顔の部分と胴の部分ができる。耳を付ける人手を付ける人、楊枝で模様を入れる人。顔を描いてできあがり。隣の人の工夫をあれこれ批評しながら少しずつ仏さまらしくなっていく。みなさん、それぞれの個性がある仏さまを1時間程度で完成させる。

 

 その後、全員でお経をお唱えし願い事の成就を祈る。仏像の製作とは祈ることで完成するというのは、さすが君島さん。終了後、お新香やおいなりなどを頂く。みなさんと歓談して解散。今度の10月には仮設にお祀りしている「邂逅観音」を川原住宅の集会所に移すためお参りに来ることになっている。それがこの仮設に来る最後となる。