両国回向院の出開帳

 2013年4月27日より5月19日まで、両国・回向院さまにおいて「東日本大震災復幸支縁 善光寺出開帳 両国回向院」が実施され、3万人を超える多くの方にお参りいただいた。

 

  新築された回向院念仏堂の二階の広間に気仙にまつわる仏さま―被災地に安置する一光三尊像7体、高田松原の被災松で建立された善光寺と陸前高田市普門寺の親子地蔵、要害観音堂聖観音、金剛寺如意輪観音―が安置されていた。畳みの大広間であるため靴を脱いで、間近に仏さまを拝することが出来る。

 

 幾たびか、部屋の脇でお念仏を申したが、皆さん、説明文を良く読み、仏さまを熟視された後、固く目を閉じ手を合わされた方をよく見かけた。またある方は、畳にぬかずき礼拝されていた。涙を流しながら拝まれている方もいらっしゃった。いちように「よく泥の中から現れて下さった」とおっしゃっていた。まさに「ありがたい」という思いであろう。

 

  何万という方の思いが観音様に捧げられ、そのあまたの思いを抱え持って、観音様が気仙にお帰りになる。そう考えると、心がうちふるえる。


  また、本堂で行われた法話・講演に私どもを含めた気仙にゆかりのある方々がお話しする機会を与えられた。

 

 金剛寺ご住職小林信雄僧正は、金剛寺の歴史を話された後、被災後なにを考えどう行動したかということについて話された。

 

 ひとさじの会吉水上人は、気仙の伝承念仏を教えていただいた時の話から気仙に伝わるご詠歌について話された。

 

 私は、気仙三十三観音霊場の歴史や魅力を話した後、被災地のいまとこれからについて映像を交えてお話しをした。大船渡永沢仮設でボランティアの受け入れにあたって活躍された平山睦子さんは、自作の詩を朗読しながら震災後の思いをからりと話された。

 

 陸前高田観光物産協会の震災の語り部実吉義正さんは、様々なデータを示した後、衝撃的な映像の解説をしつつ、震災にまつわるエピソードを熱く熱く語られた。


  いずれも100名を超える方々が聴聞され盛況であった。気仙の地にすこしでも興味・関心を持っていただければ幸いである。


 詳しくは活動報告(9)をご覧下さい。

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