1月23日「東日本大震災復幸支縁 善光寺出開帳 両国回向院」において本堂前に立てられる「回向柱」の「斧入れ式」に参加してきました

 「回向柱」は、回向院さまのご本堂の前に立てられます。「回向柱」は、ご本尊の御手に結ばれた金糸と結びつけられ、柱に触れる人々にご本尊の御慈悲をお伝えくださるというものです。この度は、気仙杉が使われることになりました。「回向柱斧入れ式」に参加させていただきました。


 陸前高田市気仙町内の会場に着くと、注連縄を廻らした二本の太い杉の近くに机にお花やお供物がしつらえてありました。40人くらいの参列者でした。御法楽の後、映画「先祖になる」に登場する佐藤直志さん、善光寺・若麻績事務総長、山主の菅野さん、製材所の村上さんらが「エイ、エイ」のかけ声で杉に斧を入れます。樹齢120年程度の太い杉です。

 「南無大聖不動明王」と墨書されている白衣を身にまとった佐藤直志さんが、まず木の幹の倒す方の面をチェンソーでえぐり取 り、そして数メートル離れ、伸びたりかがんだりしながら木の倒れる方向を確認し、またちょっと木を削って方向を是正し、幹の向こう側からグッとチェンソー をいれ、最後は割れ目にくさびを打ち込みます。「カーン、カーン」と甲高い音がすると「ミリ、ミリ」と音がし、「カーン」という音と共に弧を描いて木が倒 れていきます。「ズズーン」という音と共に地響きがはらわたに伝わります。生きている木の生命をいただくという感覚を身体で感じ取る瞬間でありました。最 後に、切り株に塩と酒を撒くと、柏手を3回打ちます。山の神に感謝すると同時に、山に新たな木を植え命をつないでいくことをお伝えするのだといいます。敬 虔な思いを抱いた式でした。

コメント: 0 (ディスカッションは終了しました。)
    まだコメントはありません。